ご先祖様への愛情「荷縄そば」

地域によって時期が違うこともありますが、一般的に改暦後のお盆は旧盆・月遅れ盆などと呼ばれ8月13日~16日の夏の暑さ真っ盛りに行われます。
あまりポピュラーではない印象ですが、実はお盆とそばに関わる風習があります。

精霊馬

近年、お盆の時期になると「精霊馬」が時々バズります。
Googleで「精霊馬」と検索したら、なんとも才能のある手先の器用な方々が「変わり精霊馬」を披露しているのをご覧になれます。)
中には「不謹慎だ!」と思われる方もいらっしゃるかなとは思いますが、実際、それぞれの背景を知ると大抵は亡くなった故人が好きだったからという思いでつくられているものが多く、故人のことを思いながら迎えるお盆という意味でもこれこそが本当の供養なのではとも思えてきます。

少しサンプル置いておきますね。

「車好きだった祖父のために…」お盆の精霊馬がカッコ良すぎる | ハフポスト NEWS

弟想いの姉が作った精霊馬 『背景』を知った後、もう一度見ると?  grape [グレイプ]

亡くなった大切な人に愛を込めて作った「精霊馬」がファンキーでカッコよすぎる! – Togetter

荷縄そば

時々トリッキーなものも見かけるようになった精霊馬ですが、早く帰ってきて欲しいと足の速い馬(きゅうり)を用意し、帰るときはたくさん荷物を積んでゆっくり帰って欲しいと牛(なす)を用意するという、ご先祖様への願いが込められています。

そして、その願いにさらに愛情をプラスするのが「荷縄そば」です。
たくさんお供えを持ってあの世に帰って欲しい。
たくさんの荷物を積むのに荷縄が必要でしょう、それならば!とご先祖様が帰る前の15日あたりにそばを打って荷縄にしてもらおうというのが「荷縄そば」です。
これ使って荷を積んでね!と牛(なす)や馬(きゅうり)の背にそばをかけておいて、先祖を見送ります。

古くより、8月13日~16日のお盆の時期、多くは15日にそばを打ちました。
これは仏様が帰る際に、供物をそばで背負うと信じられていたことに由来します。そのため、お盆の最中にそばを打ち、そのそばを精霊棚とも言われる盆棚の飾り縄にしたり、茄子や胡瓜で作った馬や牛(精霊馬)の背にかける習わしがあります。これを「荷縄」、「背負い縄」、「鞍縄」ともいいます。

【荷縄そば】お盆の蕎麦打ち
http://www.soba-udongyoukai.com/info/2012/2012_0806_ninawa_soba.html

日本一の産地、幌加内の縄

田舎に帰ると帰り際におばあちゃんがあれやこれや大量に持って帰りなさいと袋やら箱に入れて持たせてくれました。思い当たる節のある方多いですよね(笑)
そのおばあちゃんも今はお盆に戻ってくる側。
いつもおばあちゃんがしてくれていたように、今度はおばあちゃんに荷縄そばと大きな牛を用意して、たくさんお供えものを積んで持ち帰ってもらいたいと思います。

もしかして、せっかちなおばあちゃんなら「牛でノソノソなんて帰ってられないよ。荷物はちょっとで良いよ、あたしゃ馬でぴゅーっと帰るよ!」なんて方もいらっしゃるかもしれませんね。そんなときも馬に積んだ荷物が落ちないように、荷縄でくくっておいた方が安心ですよね。

きっと、幌加内から帰ったおばあちゃんはあの世で「日本一のそばで作ったコシのある良い縄(そば)なんだよ!積んだ荷が緩んだりしないんだよ!」って自慢してくれているんじゃないかな。

ご先祖様の荷縄に、お盆のおもてなしに、ぜひ幌加内そばをご利用ください♪