年明けうどん

明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

そば屋のウェブサイトのはずなのにうどんの見出し?!
大丈夫です、間違ったサイトに迷い込んだわけではありませんよ(笑)

年越しそばでそばは一段落したかと思いきや、年を越した新年早々にそばを食べる風習のある地域があるそうですよ!という話や、近年よく目にするようになった年明けのニュー行事食「うどん」についてなど、2025年最初の記事、今回もぜひ最後までお付き合いください♪

年またぎは縁起が悪い

2021年の年末にX(旧Twitter)でフォロワーさんの年越しそばについてお伺いした際には、およそ半数近くの方が31日の年越し直前に召し上がることが分かりました。

年越しそばは、年をまたいで食べると「新しい年に厄を持ち越してしまって縁起が悪い」とか、食べ残してしまうと「新しい年にお金で苦労する」などと言われますが、皆様はよい年越しそばをお召し上がりになりましたか?
特に大晦日からおせち料理を食べ始める習慣のある北海道の方々は、お腹のスペースと相談するのがコツですよね!

会津地方では新年にそばを食べる

先述の通り、年またぎで食べると縁起が悪いという印象が強いせいか、そばは新年に食べないもののようにも感じますが、福島県の会津地方などでは元旦にそばを打ちそばで新年を祝う風習があるといいます。

大晦日に、なぜ蕎麦を食べるのか。年越し蕎麦の由来は誰も知らない。しかし年越しにはなぜか、蕎麦を食べることになっている。

では一夜明けて正月はどうか。正月は餅というのが一般的だが、実は元旦に蕎麦を打ち、これをいただいて新年を祝うという地方が、少なからずあるのだ。

たとえば福島県会津地方には、「もちそば(餅蕎麦)のごっつぉ(御馳走)」という言葉がある。

この地方では、心のこもった持て成しを受けたとき、客は「いやあ、きょうは餅蕎麦のごっつぉでした」と礼を言う。これが最大級の感謝の気持ちを表す言葉なのだ。

餅も御馳走、蕎麦も御馳走。餅と蕎麦を同時に供するのが、この上ない持て成しとなる。だから会津では、供された料理に餅も蕎麦も出ていなくても、贅沢な料理をいただいたときは、「餅蕎麦のごっつぉでした」と言って感謝するのだ。

正月に食べる蕎麦の伝統とは | サライ.jp|小学館の雑誌『サライ』公式サイト

こちらの情報番組の中でも会津地方の新年のそばの紹介がされています。

またこの地方に伝わる1月3日にとろろを食べる習慣も紹介されており、とろろの取材をしたお宅の方は「うちでは1日がもち、それから2日がそば、そして3日がとろろ」とおっしゃっていました。
補足の説明では、「1日がそば、2日がもち、というところも多いようですが、3日にはとろろをたべるということのようです」と紹介されていました。

「年越しそば」のニコイチ「年明けうどん」

最近、ショッピングサイトなどでは「年越しそば」と「年明けうどん」がセットとして販売されるものを多く見かけるようになりました。
「年越しそば」の相棒っぽい感じで「え?前からいましたけど?」みたいな空気感を醸し出している「年明けうどん」さん。
気になったのでちょっと調べてみました。

なんと驚くことに「年明けうどん」と検索すると、その名の通り「年明けうどん」というサイトが現れます。
ドメイン名まで「toshiakeudon.jp」です!すごい!

年明けうどんとは───
純白で清楚なうどんに紅いトッピングを添え、年の初めに食べることで、その年の人々の幸せを願うものです。
紅いトッピングを添えたうどんを、元旦から一月十五日までに食べることで、家庭でも手軽に元旦のお祝いができます。
簡単にできるお正月のお祝い「年明けうどん」。
今年のお正月には、その年の幸せを祈りながら「年明けうどん」を家族皆で食べましょう!

年明けうどん

めでたい紅白うどんを食べて新しい年の幸せを願おうという行事食のようですね。

ジワジワと知名度を増してきた感のある「年明けうどん」は、どうやら2009年に「うどん県」香川の「さぬきうどん振興協議会」が提唱したのが始まりのようです。
ここ数年、急に聞くようになった気がしていましたが、意外と前から始まっていたんですね。

年末年始の行事食いろいろ

新規参加の年明けうどんの他にも、そういえば年越しそばから冬土用の頃まではいろいろ行事食が立て続く印象があります。

12/31年越しそばで1年の厄をはらう
1/1元日には年神様をお迎えし、おせちやお雑煮を食べて1年の豊作と家族の安全を祈願
1/1-1/15年明けうどんで新しい年の幸せを願う
1/7人日の節句に七草がゆで無病息災を願う
1/11鏡開き(地域によって時期が違う)お正月の間飾っておいた鏡餅を食べて年神様の力を授かり、1年の無病息災を願う
1/15とんど焼きで焼いた餅や団子、お汁粉などを食べて健康と幸せを祈願する
1/17土用の入りに土用そばを食べて季節の変わり目に備える
(冬土用には「ひ」のつく食べ物や「赤い」ものを食べるのが良い)

他にも何かありそうな気がしますが、思いつくだけでも結構盛りだくさんですね。
そういえば会津地方では「三日とろろ」もあるんでしたね!
いろいろな地方の風習を知るのは楽しいです。今年は1月3日にとろろ食べてみようかな~♪

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