年越しそばと晦日そば
霧立亭では、毎年、年越しそばのご予約を承っております。
おかげさまで大変好評をいただいており、全国各地からのご注文をいただいています。
「年越しそば」を食べる由来については健康・長寿・縁・金運など諸説あり、新しい年を迎える前には災厄を断ち切ったり、健康を願ったり、金運アップを願ったりする気持ちになるのは今も昔も変わらず、日本人の中に染みついた生活の一部となっているようです。
現代では「大晦日に年越しそばを食べる」ことは一般に広く浸透した習慣となっていますが、江戸時代の商家では月末にそばを食べる習慣がありました。晦日とは三十日、つまりは月末。(旧暦は大の月が30日、小の月が29日)
十日(とおか)、二十日(はつか)というように30日は三十日(みそか)と読みます。
その三十日(みそか)が転じて「晦日」と表記するようになったものです。
それがなぜ商家と関係があるのか?
江戸時代の商売はほとんどが「ツケ」で晦日払い(月末払い)でした。
そのため商家では、月末は集金や棚卸しなどを行うため主人から奉公人までが総出となり大変忙しかったようです。
そんな中で好まれた食事がそばの出前。
そばは出前が届くのも早く、食べるのもスルスルと食べられ、年越しそばの由来同様に健康・長寿・縁・金運などゲン担ぎの思いもあって好まれたようです。
年越しそばの月末バージョンが晦日そばなのではなく、月末に晦日そばを食べる習慣が元々あり、年に12回あるうちの晦日の中でも特に大きな節目である「大ボス=年末」に食べるそばが「年越しそば」という風習として現代まで廃れずに残った、ということなのですね。
江戸時代中期には商家に月の末日に蕎麦を食べる三十日蕎麦(みそかそば)という習慣があり、これが転じて大晦日だけに行われる年越し蕎麦になったと考えられている
年越し蕎麦 – wikipedia
行事食としての晦日そばで開運&健康管理
日本では季節など暦の節目ごとに行事を行い、その時期に見合った食事を食べる習慣がたくさんあります。
冬至のカボチャや、土用の丑の日のウナギ、正月明けの七草がゆなどのいわゆる行事食は単に縁起を担いでいるだけかと思いきや、実はその時期に必要な栄養や季節によって変化する体調を調整する役割を持っていることが知られています。
月末には晦日そばを食べて「晦日祓い」をし、ゲンを担ぐとともに栄養面からも身体の調子を整える良い機会と捉えるのがおすすめです。
その月を振り返って、ストレスを感じていたり胃が疲れているなと思うときには、ビタミンCや消化酵素のアミラーゼを多く含んだおろしそばを選んでみたり、疲れがあるときは疲労回復効果のあるとろろそばなどを選んだり。
─ 食べたものが細胞を作り、身体を作り、心を作る ─
「晦日そば」の月末をひとつの節目として、毎日を健康に過ごすきっかけになればいいなと考えています。