そばは香りが大切
幌加内町では9/18㈯から新そばが解禁になりました!
穫れたての新そばの香りやその風味を楽しみにしている方もたくさんいらっしゃるかと思います。
そばの重要なポイントである香りにこだわるお店の店先や、商品のパッケージなどでよく目にするのが「石臼挽きそば粉」という文字。
「石臼挽き」という表記は、そば粉以外にも抹茶や時にはコーヒーの挽き方に言及する際にも見かけます。
これらに共通することといえば、やはり「香り」ではないでしょうか。
そばは風味や香りが大切な素材ですので、香りを大切にする挽き方だと石臼に軍配があがるかな。
少し説明してみますね♪
そば粉の挽き方は大きく分けて3種類
そば粉の製粉方法は大きく分けると以下の3種類です。
- 臼と杵で砕く
- ロールで挽く
- 石臼で挽く
生産される粉は3種類
そば工場で生産されるそば粉は基本的に3種類の粉に分かれてます。製粉した時に粉になる順に、1番粉、2番粉、3番粉、あとは末粉(さなこ)と呼ばれる、蕎麦の甘皮の一部や外側の皮の一部などを含んだ部分です。
1番粉は更科粉とも呼ばれ、白いさらさらの粉で打ちづらい。湯練りや変わり蕎麦に使うことが多く、ツルツルとした食感です。
2番、3番の順に味、香りが濃くなりますが、だんだんと喉越しが悪くなります。
末粉は、香りも強いし栄養も高い(タンパク質、脂質)ですが、食感は良くありません。
臼と杵で砕く方法
臼に製粉する穀物を入れ、杵で搗いていく方法は「胴搗き(どうづ-き)」と呼ばれ、水車や風車を動力として一列に並んだ棒がドスンドスンと落ちて粉にする様子がイメージされます。
生産量が限られるので、大量生産は難しい。
石臼が普及してからは、水車や風車で石臼を回す仕組みを取り入れて、より効率的に製粉できるようになりました。
なお石臼が普及する以前は製粉作業も杵で行われていた。精白された穀物を臼に入れ、杵で打つことで粉砕し、粉末にした。
杵 – Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B5
メリット
- 熱が発生しないので香りが強い
デメリット
- 管理が大変
- 品質が安定しない
- 荒く潰している?
- 調整が難しい
- 麺として打つには打ちづらい
向いている用途
麺としては打ちづらいので、麺用よりは料理がメインかな?
団子やニョッキ的なもの?
ロール挽き
ロール挽きは、金属製の2本のロールを高速で回転させてそばの実を挽く方法です。
メリット
- 大量生産できる
- 1~3番粉、末粉などの種類を細かく分けて生産できる(もっと細かく分けて挽ける)
- 殻付きからでも丸抜きからでも挽くことができる
- 殻を取り除く量を調整することで粉の色味を調整する、という細かい製品化も可能
デメリット
- 熱が発生するため、風味、水分が落ちる
- 末粉が多くなるため無駄が出る
打ち粉や更科粉はロールじゃないと難しいし採算が合わないので、ロール挽きもデメリットばかりじゃないよ。
それぞれ用途ごとに適した製粉方法があるってことだね!
石臼挽き
石臼挽きは、石製の上下の臼をすりあわせることで間に入れたそばの実を細かく挽く方法です。
金属に比べて熱を蓄えにくく、熱で水分や香りが飛びにくいことが特長です。
メリット
- そば粉の温度が上がりにくいので、風味が飛びづらい、水分が蒸発しにくい
- 挽き方を工夫できる(目の深さ・回転数などを調整して、細かく挽いたり、荒く挽いたりできる)
- 水分を保てるので、しっとりしたそば粉になる(指紋がみえるやつ!)
- 香りがあるのに喉越しも良い
- 殻付きからでも丸抜きからでも挽くことができる
- 差別化できる
- 製造しやすい
- 甘皮や外皮などの末粉も挽きこむことができるので香りが強い
- つなぎを入れて二八蕎麦などにすると喉越しも良くなる(十割はボソボソ切れやすい)
デメリット
- ロール挽きに比べて生産量が少なくなる
- 石臼の目立てや手入れなど、こまめに管理する必要がある
- まったく熱が出ないというわけではない
石臼挽きもまったく熱が発生しないわけではないけれど、ゆっくり時間をかけて製粉するため粉焼けの度合いはかなり少なめ。
その分、香りや水分が残るんですよ~!
霧立そば製粉では石臼挽きを採用しています
霧立そば製粉の工場内は、常時20℃の室温で製粉しています。
1分間に15回転で製粉しており、そば粉が熱を持ちづらい状態を保つよう調整し、水分も風味も残したそば粉が生産できます。
末粉も挽き混み40メッシュで篩って細かな粉にしているので、香りがあるのに打ちやすい粉になっています!
霧立亭では、霧立そば製粉で製粉したそば粉を100%使用しています。