「ねむり雪そば」の解禁
幌加内町では毎年、晦日そば の流れをくんだ7月31日の「幌加内そば日」の前後に「ねむり雪そば」の解禁日を設定し、雪を思わせる美しい白い蕎麦に仕上げて町内の店舗(*1)で提供しています。
昨年(2020年)は、新型コロナウイルス感染症の影響により「幌加内そばの日」の事業が中止となりましたが、「ねむり雪そば」は各店舗で販売されました。
今年(2021年)におきましても、(昨年同様に「幌加内そばの日」事業は中止の判断がされましたが、)幸い、「ねむり雪そば」の販売は、7月31日(土)より各店舗にて開始することが決定しました。
「ねむり雪そば」とは
「ねむり雪そば」は、幌加内オリジナル品種の「ほろみのり(*2)」を収穫後に一旦低温貯蔵して熟成させたものを使用した期間限定の特別なそばです。
全麺協「五段位(*3)」をもち、自らそばの生産から製粉までを手がける坂本勝之さん(株式会社そばの坂本)が試行錯誤を重ね、独自の熟成方法で開発されました。
雪山に必要なだけの積雪が確保できる11月頃になると、低温貯蔵してある玄そばを運び出してシートに包み、雪で覆って約半年間(6月頃まで)ほぼ零度の氷温熟成を行います。
さらに雪山から掘り出したあとも冷蔵庫へ移し、品質を落とさないように細心の注意を払って保管されます。
雪に埋設することにより、そばにとって条件の良い温度と湿度で安定し乾燥や劣化からも防がれるだけでなく、さらにそばが熟成して旨み・甘みが増した品質のよいそばができあがります。
単なる保存と違い、そばにとっては「時間が止まる」という感覚になり、まさに「冬眠」のような状態で保存されることから「ねむり雪そば」と命名されました。
ねむり雪そばの保存時のような理想的な環境で保存されたそばは、中心部のデンプン質の糖度が増します。
さらに製粉する際にも、粗挽きで引いてその後細目で篩い、その中心部分の更科に近い感じの粉に仕上げるため、デンプン質の一番粉が多く白くて甘みが際立つ感じになります。
そのため、ねむり雪そばはそばとして完成したときには「雑味がなく甘みの強いそば」になります。
ただし一方で、上記のように製粉した粉はそば打ちの難しいそば粉となるため、打ち手の腕の見せ所でもあります。
「ねむり雪そば」は7月31日(土)より各店舗にて
「ねむり雪そば」は、7月31日(土)より町内の各店舗にて販売が開始です。
数量限定の商品となるため、毎年大変人気で売り切れることも多いです。是非、お早めにご賞味ください。
*1 「幌加内手打ち蕎麦店経済研究会」会員店舗と協賛店の店舗のみです。
霧立亭、八右ヱ門、あじよし食堂、雪月花(協力店)
*2 北海道で生産されるそばの品種は「キタワセ」が主流ですが、「ほろみのり」は幌加内町独自で開発された品種でキタワセよりも風味や甘みが強く大変人気のそば品種です
*3 初段位~6段位まで全国で15,547名の段位認定者うち、5段位保持者は136名のみ。道内では3,726人の段位認定者のうち5段位は坂本さんを含めて30名のみです(2021年4月時点)