播種も近づく八十八夜

八十八夜

夏も近づく 八十八夜
野にも山にも 若葉が茂る

有名な茶摘み歌、子供の頃に手遊びした記憶のある方も多いのではないでしょうか。

2026年は5月2日が「八十八夜」。
二十四節気・五節句などの暦日のほかに、季節の移り変わりをより適確に掴むために設けられた「雑節」の一つです。
立春から数えて88日目にあたり、歌にもあるように数日後には二十四節気でいう「立夏」になることもあり、昔から農作業の目安とされてきました。

「八十八夜の別れ霜」という言葉もあるように、この頃になると霜の心配が少なくなり、種まきや茶摘みの時期としてちょうどよい頃合いとされています。

幌加内でのそばの播種のピークは5月末~6月中旬なので、八十八夜を過ぎる頃には土作りで大忙しの時期になります。

ファーマーズ・アルマナック

こうした暦に基づく知恵は、日本だけのものではありません。
世界にも、自然のリズムを読み取り、暮らしに活かしてきた例が見られます。

たとえばアメリカでは、「アルマナック(年鑑)」と呼ばれる農事暦が古くから親しまれています。
代表的なものに200年以上続く『ファーマーズ・アルマナック』などがあり、毎年、その年の天候の見通しや霜の時期、地域ごとの種まき・収穫の目安がまとめられています。

特徴的なのは、太陽だけでなく「月の満ち欠け」も重視している点です。
「満月に向かう時期は地上に実る作物、欠けていく時期は根菜類に向く」とされており、今でも家庭菜園やガーデニングの参考にする人が少なくありません。
また、日ごとの簡単な天気予測や、ことわざのような経験則も掲載されており、暮らしの知恵が詰まった実用書として親しまれています。

細かな節気として体系化されている日本の暦とは少し形は違いますが、
自然の変化を手がかりに、よりよいタイミングを見極めるという考え方は共通しています。

世界共通の”生きる”ノウハウ

時代が変わり、どれほど技術が発達しても、自然と向き合いながら積み重ねられてきた知恵は受け継がれ、今の生活や作物づくりを支えています。
国や地域が違っても、“生きる”という営みを支える思いは同じなのだと改めて感じます。