
エイプリルフール
4月になりました。気分も新たに、新年度のスタートです。
今日から新しい生活を迎えた方もいらっしゃるでしょう。

4月1日といえば、まず思い浮かぶのはエイプリルフール。
起源には諸説ありますが、よく知られているのは16世紀フランスで新年を3月25日から1月1日に改めた際、反発した人々が4月1日を「嘘の新年」として騒いだことに由来するという説です。
最近では、企業がSNSでユーモアあふれる「嘘」を投稿し、ちょっとしたお祭りのような日になりました。厳しいニュースが多い中、ゆるく笑える話題が並ぶこの日は、どこかホッとします。
朔日
若い方には少し馴染みの薄い漢字かもしれませんが、月の始まりを「朔日(ついたち)」と書きます。
旧暦では、新月(朔=さく)の日が月の始まりとされ、その最初の日を「朔日」と呼びました。
先々月の記事「2月には三十日はないが晦日はある」では、月末を表す「晦日(みそか)」について触れました。
「晦」は月が隠れることを意味し、その翌日に新しい月が生まれます。
「朔日(ついたち)」は「月立(つきたち)」が転じた言葉で、まさに“月が立つ日”なのです。
四月朔日さん
月の始まりを表す「○月朔日」。
今月なら「四月朔日」ですが、実はこれ、名字としても存在します。
しかも読み方は「しがつついたち」でも「しがつさくじつ」でもなく、「わたぬき」さん。とても珍しい難読姓のひとつです。

由来は衣替えにあります。
旧暦の4月1日は、今の暦では5月中頃。暖かさが増し、冬物をしまう時期です。
綿入りの着物から綿を抜き、袷(あわせ)の着物に替える ―― この「綿を抜く(わたぬく)」習慣から、「四月朔日」と書いて「わたぬき」と読む名字が生まれたとされています。
「四月一日」と書く「わたぬき」さんもいらっしゃいますが、「四月朔日」さんよりさらに数は少ないようです。
また、「わたぬき」と聞くと一般的には「綿貫」さんを思い浮かべるかもしれませんが、語源は同じです。
さらに、「四月朔日」と書いて「つぼみ」と読む方もいるそうで、春に花のつぼみがふくらむ季節にちなむと言われています。
季節の移ろいがそのまま名前になった、なんとも風流な名字です。
参考サイト
新暦ではまだ少し寒い

とはいえ、4月に衣替えと言われると、北海道では少し早い印象があります。
旧暦と新暦では季節感がずれるため、どうしても体感とは合いません。
幌加内の4月はまだ雪が残る頃。三寒四温で体調を崩しやすい時期でもあります。
そんなときは、3ヶ月ほど前に投稿した豆知識「食べて温まる養生」を参考に、体をいたわりながら新年度を迎えてみてください。
おまけ)八月朔日さん
「四月朔日」があるなら、ほかの月にも同じような名字があるのだろうか ―― そう思って調べてみると、一つだけ見つかりました。
それが「八月朔日(ほづみ)」さんです。
旧暦の8月1日は、新暦では8月下旬から9月頃。早稲の収穫期であり、台風被害も心配される時期です。
稲の穂を摘んで(ほづみ)神前に供え、豊作を祈ったことが由来とされています。
「ほづみ」と聞くと一般的には「穂積」さんを思い浮かべますが、こちらも別表記のひとつです。


さらに、旧暦8月1日の「八朔(はっさく)」は、初穂を恩人に贈る風習から「田の実節句(たのみのせっく)」とも呼ばれ、のちに武家社会にも広まりました。
江戸時代には、江戸幕府の重要な年中行事の一つとなり、大名や旗本が白帷子姿で江戸城に登城し、将軍に太刀や馬代(金銀)を献上する「八朔の祝」が行われていました。
ここまで聞くと、なんとなく現代のある風習を思い出しませんか?
そう、この八朔は、現在のお中元の起源の一つとも言われています。
