引っ越しそば

引っ越しそば、食べますか?

4月、新しい生活が始まる方も多くいらっしゃるかと思います。新生活といえば引っ越しがつきものです。
引っ越しに関する風習として「引っ越しそば」が思い浮かぶ方も多いのではないでしょうか。
現代では「引っ越しそば」というと、

  • 荷ほどきの済んでいない引っ越し当日、調理器具も少なくて良いのでそばを食べる
  • 引っ越し当日に新しい土地でのそば屋に出前を頼んだり、お店に食べに行く
  • 引っ越しを手伝ってくれた人に振る舞う

というイメージされる方が多いようで、実際、約5割の方が上記のような引っ越し先で食べるそばのことだとイメージしているというアンケート結果もありました。

参考

2人に1人が誤解!「引越しそば」は自分で食べない!?正しい意味と由来とは… – LIVE JAPAN (日本の旅行・観光・体験ガイド)
https://livejapan.com/ja/article-a0000686/

引っ越しそばの由来

現代では少々様変わりしてきた「引っ越しそば」ですが、引っ越しそばとは本来どんなものだったのか、我が愛読書『蕎麦の事典』を見てみましょう。

ひっこしそば【引越し蕎麦】
江戸中期あたりから始まった、江戸を中心とした習俗。引越しの際、隣近所は二つずつ、大家へは五つ、そばを配って挨拶する。東京になって関東大震災(大正十二年・1923)ごろまではごく一般に行われていた。関西ではこの風習は見られない。

『蕎麦の事典』(新島 繁):講談社学術文庫|講談社BOOK倶楽部

そばが庶民の食べ物として人気になった江戸時代、そば屋でそばを買い「向こう三軒両隣」に挨拶して回るのが一般的でした。江戸の人々が好んだ「そば」にかけた「しゃれ言葉」で「おそばに越してきました」「細く長く良いお付き合いを」という意味を込めたものだったようです。

後には、そばそのものでなく「蕎麦切手」と呼ばれるそば店で発行している「そば札」を配るようにもなりました。蕎麦切手にはそばの枚数や金額が記してあり、そば店で購入する、今で言う商品券・お食事券のようなものだったようです。

おまけ)霧立亭の「蕎麦切手」?

当店でも添牛内駅のクラウドファンディング達成記念に硬券を模したお食事券を発行したことがありました。

引っ越しの挨拶の粗品

江戸時代にはそばがダントツの主流だった引っ越しの挨拶アイテム、残念ながら現代ではそばは少数派のようです。

1タオルやふきん38.5%
2スイーツ30.2%
3ティッシュペーパー・キッチンペーパー27.2%
4洗濯用洗剤24.3%
5地域指定のゴミ袋23.7%
6入浴剤16.2%
7お茶・紅茶・コーヒー14.6%
8ボディソープ・石けん13.5%
9お米10.5%
10図書券やギフトカード10.0%
11そば9.7%
12その他5.4%
引越し挨拶はするもの?引越し祝いでもらってうれしいものとは?引越し事情にもいろいろ変化が|引越しの見積もりなら0003の[アーク引越センター]ちゃんとしたお引っ越し

好みや生活習慣などが多様化した現代、実用的な消耗品が多いのは納得です。
しかも、そばはアレルギーの関係もあるので、10%弱あるというのは考え方によっては意外と多いともいえるかもしれませんね。

「引っ越しそば 2.0」

ご近所へのご挨拶の品としては下火になった引っ越しそばではありますが、先述の通り、現代では引っ越した時に食べるメニューとして浸透しているのは事実です。

それならばいっそのこと、「新しい場所での新生活の始まり」を「新しい年を迎える年越し」と同じような場面と捉え、年越しそばの縁起担ぎと同じように

「それまでの災厄を切って新しい土地で幸せに暮らす」
「新しい土地で細く長く幸せになる」
「(そばの強さにちなんで)新しい土地でも元気に暮らす」
「(金細工師がそばで金粉を集めたことから)引っ越しを機に金運アップ」

といった感じの「引っ越しの日の縁起担ぎメニュー」として「引っ越しそば 2.0」的な風習にしちゃうのもアリかもしれませんね!

豆知識

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