ホロカナイヌーヴォー、今年も解禁

最後の「幌加内町新そば祭り」開催中

今日、2025年8月30日と明日31日は「幌加内町新そば祭り」が開催されます。(8/29も特別イベントとしてフォーラムが行われました)

人口およそ1,200人の幌加内町に、2日間でおよそ4万人が訪れる一大イベント「幌加内町新そば祭り」は、第30回の節目を機にその歴史にひと区切りを迎えます。
町内外から多くの人が集い、新そばを味わい、町をあげて催したこの祭りは、国内最大の“そばの産地”である幌加内町の顔ともいえる存在でした。

長年親しまれてきたお祭りが一区切りを迎えるのは寂しさもありますが、今後は規模を縮小し、関わる人々の負担を軽減した、新たなかたちのイベント開催を検討していくと聞いていますので、また新しい楽しさを見つけていただけると嬉しいです。

解禁日といえば

幌加内町新そば祭りは、単なるイベントというだけでなく、新そばの“解禁日”としても広く知られています。
当店でも、毎年このタイミングで新そばに切り替えており、ご来店いただいた皆様にいち早く新そばをお楽しみいただいています。

今年も、本日8月30日より、新そば解禁いたします。

ところで、“解禁日”と聞くと思い出すのが、フランスのボジョレーヌーヴォー。「ヌーヴォー(nouveau)」はフランス語で「新しい」という意味。
ボジョレーヌーヴォーとは、フランス・ボジョレー地区でその年に収穫されたブドウで造られる新酒のことで、毎年11月の第3木曜日が解禁日とされています。軽やかでフルーティーな味わいが特徴で、赤ワインながら少し冷やして飲むのが定番。合わせるおつまみも、生ハムやチーズなど、素材の風味を引き立てるものが好まれます。

一方の新そばも、「その年の収穫をいち早く楽しむ」という点でボジョレーヌーヴォーとよく似ています。
新そばは、香りが高く、打ちたて・茹でたてではわずかに青みを帯びた色合いになります。ボジョレーヌーヴォーと同様、その繊細な風味を楽しむには、薬味や出汁は控えめにするのが良いかもしれません。
わさびやねぎは少しだけ添え、つゆもつけすぎず──あるいは塩だけで味わってみるという方もいらっしゃいますね。素材の香りをたしかめるように、じっくりと味わうひとときは、まさに“旬をいただく”贅沢そのもの。

──とか、四の五の言わず、ご自身が”おいしい”と思える方法で召し上がり、満足していただくのが一番なのです!

本格的なそばの収穫シーズンの幕開け

ちなみに、幌加内町の新そば祭りで提供されるのは、イベントにあわせて育てられた早蒔きのそば。
この祭りを皮切りに、9月上旬から10月上旬にかけては、町内での本格的なそばの収穫が始まります。つまり、新そば祭りは“ピーク”ではなく、“新そばシーズンの幕開け”。新そば祭りが終わると、町内のあちこちで大型機械がせわしなく働き、収穫したそばの実を詰んだダンプカーがそばの乾燥施設「そば日本一の牙城」へと列を作ります。
ここから日本各地の食卓に、秋の恵みが広がっていくのです。

新米・新酒・新そば──「秋の三新」とも呼ばれるこの季節の味覚は、日本の実りの象徴でもあります。
江戸時代の人も待ち望んでいた新そば、ボジョレー風に言うなら“ホロカナイヌーヴォー”。
ひんやりとした冬の気配が近づく前に、国内最大の産地、幌加内町の今年の新そばをぜひお楽しみください。